問題点 Problem
同居している技能実習生に食料品の買い出しを頼んだとき、商品名を伝えても陳列棚から見つけ出すことができませんでした。
今回の内容 Contents
インドネシア人技能実習生のスーパーや薬局での買い物をサポートするとき、商品名のみを伝えても目的の商品が見つけづらいようです。
実習生はひとりで食材を購入するとき不慣れな日本語にあふれたスーパーや薬局で、文字情報以上にパッケージの絵や色などの視覚的な情報に頼っています。実習生の買い物をサポートするときには、商品名を口頭で教えるだけでなくパッケージの写真をメッセージアプリで送ったり、陳列棚のジャンルも併せて伝えたりするとわかりやすいようです。
背景
わたしは技能実習生のひとりと同居をしています。普段は週に1度一緒にスーパーマーケットへ買い出しに行っていますが、わたしが仕事の用事で行けず、数品の買い物をお願いしたことがありました。
実習生が来日して3か月ほどの頃でした。
お店に向かう前に口頭で「紅茶をお願いします。“Teh(インドネシア語で紅茶)”です。紅茶ならどの商品でもいいですよ。」と伝えましたが、お店に着いた彼女からどれが紅茶かわからないとメッセージが来ました。ハードルが高いと感じたのか、店員さんに売り場を質問することもなかったようです。
メッセージアプリで『コーヒーと同じ棚です。』と陳列棚の情報を伝えてみると、棚の前にはたどり着けたようです。“「紅茶」の表記がわからなければ探せないよな”と気づき『紅茶』とメッセージに送ってみました。しかしまだ見つけられないようでした。そこでわたしは“パッケージの文字を読むよりも、色や絵柄からのほうが探しやすいのではないか”と思い、インターネットで紅茶のパッケージ写真をダウンロードして送ってみたところ、無事に商品を見つけてくれました。
学び Learning
・わたしたち日本人はパッケージのデザインに加えて、日常的に見聞きしたなじみ深い商品名や、日本語をもじった商品名から予測できる内容をもとに目的の商品を探すことができます。しかし、実習生にとって、商品名や日本語の表示を見て目的の商品を探すことはとても難しいことです。不慣れな日本語の文字情報よりもパッケージの写真やデザインなどに頼ったほうが商品を探しやすいようです。
・商品の画像をメッセージアプリで送ることによって、買い物中の実習生が手元でパッケージを確認することができると探しやすいようです。
・実習生にとっては陳列棚の分類すらもなじみのないものです。売り場のカテゴリーや、どんな商品の近くに陳列されているかも伝えるとわかりやすいようです。
・店員さんに売り場を聞くということも、言葉に自信のない実習生にとっては大きなハードルを感じるようです。