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本サイトでは、インドネシア人の技能実習生・研修生を受け入れている農業事業者の方が、お互いの理解を深め、よりよい受け入れ環境を作れるよう、「農園たや」での取り組みを紹介しています。

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サマサマ手帳 農園たや

本サイトでは、インドネシア人の技能実習生・研修生を受け入れている農業事業者の方が、お互いの理解を深め、よりよい受け入れ環境を作れるよう、「農園たや」での取り組みを紹介しています。

サマサマ(sama sama)はインドネシア語で「どういたしまして」や「お互いさま」といった思いやりを表す温かい言葉です。

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先入観は避けられない?

  • サマサマ手帳 農園たや
  • 記事執筆者 : 佐藤 高央

サマサマ手帳

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その他

実習生を「外国人」というカテゴリーで何かしらの先入観や偏見をもって接してまったという経験はないでしょうか?例えば、「外国人」は日本語よりも英語の方が得意だとか、「外国人」は日本のアニメが好きだとか。
感じ方には個人差があり、すべての人が同じように先入観をもっているということではありません。しかし、「アンコンシャス・バイアス(無意識バイアス)」という言葉があるように、自分でも気が付かないうちに先入観をもってしまっていることがあるのではないかと思います。
人を何らかのカテゴリーに分けて、先入観でしか相手を見れなくなってしまうと、一人の個人として接することを疎かにしてしまう可能性があると私は考えています。

カテゴライズ

時間を守らない人たち

私が青年海外協力隊の隊員として南米のボリビアにいた時のことです。
ボリビア人と会う約束をすると、彼らは必ずと言っていいほど時間に遅れてやってきました。10分や20分ではありません。1時間や2時間待たされることは珍しくなく、場合によってはいつまで待っても約束の場に来ないということもありました。いつしか私は「ボリビア人は時間を守らない人たち」なのだと認識するようになっていました。そして、「どうせ遅れて来るのだから、時間通りに行っても無駄だな」と思うようになり、私自身も相手との待ち合わせ時間に遅れて行くようになりました。それでも大体は私の方が待っていることになり、それでなんとなく上手くいっていました。
しかし、こんなやり方がいつでも上手くいく筈がありません。あるとき、時間を守るボリビア人が現れました。彼女は時間通りに約束の場所に来ていて、遅れた私を待っていました。そして、約束の時間に遅れた私を厳しく注意しました。時間にルーズだと思っていたボリビア人に激しく怒られて、正直、面食らってしまったのを覚えています。確かにボリビア人は時間にルーズな人が多いかもしれませんが、中にはそのルーズさを嫌い、時間をきちんと守る人もいます。しかし、私は「ボリビア人は時間を守らない人たち」と勝手にカテゴライズし、そのようにしか見ることができなくなっていたようです。同じボリビア人といっても、一人ひとり性格も考え方も違います。考えてみればそんなことは当然なのですが、その時の私は一つの先入観にとらわれて相手を見てしまっていました。

「○○人」というカテゴリーで見ない!

この経験から、「〇〇人」とか「○○人は△△△」というカテゴリーで先入観をもって相手を見てはいけないということを学びました。そして、農園たやで働き始めた時には、実習生を「インドネシア人」というカテゴリーで見ず、個人として接していこうと心に誓いました。

また別のカテゴリーが

「インドネシア人」と一括りに見ない!そう心がけていたのですが、ある時、私は農園で働く実習生たちを別のカテゴリーで見ていることに気がつきました。
「技能実習生=3年間日本の農業を学んで帰る人」というカテゴリーで実習生を見て、「彼らは3年で帰ってしまうのだから、それまでにできるだけ多く日本の農業について学んで帰るべきだ」と決めつけてしまっていました。そして彼らの学びを手助けしたいと強く思うあまり、必要以上に厳しくなってしまったのかも知れません。よくミスをしてしまう実習生を厳しく注意したところ、思いがけず開き直られて口論になってしまったことがあります。
私以外のスタッフでも、厳しく指導しすぎて実習生が萎縮してしまったケースがありました。また、「3年しかいないのだから一生懸命に教えても無駄だよね」というスタッフもいて、彼は積極的な指導をしませんでした。このケースでは、実習生の仕事の幅が広がらず、多くの成長の機会を失ってしまったように感じられました。
実習生が3年で帰ってしまうことは事実として変わりませんが、その3年間をどのように過ごしたいと思っているのかは一人ひとり違います。3年間で農業をできるだけ勉強したいと思う実習生もいれば、それよりも、お金を稼ぎたい、日本の文化的なものに興味がある、日本の食べ物を知りたい、などと考えている実習生もいます。実習生が日本での3年間に求めるものは人それぞれなのです。それなのに、私は「技能実習生=3年間日本の農業を学んで帰る人」と決めてつけて実習生を見ていました。このことに気がついて、私はあらためて相手目線で物事を考えようと自分に言い聞かせました。

一人の個人として接することの大切さ

私たちは自分でも気づかないうちに相手を何かのカテゴリーに分けて、先入観にとらわれて接してしまうことがあるのではないでしょうか。そしてそれは、場合によって人間関係を悪化させてしまうことがあります。
ボリビアでの経験から、「○○人」「○○人は△△△」というカテゴリーで相手を先入観だけで見てはいけないと学びました。私はそれを実践していたつもりですが、今度は「技能実習生=3年間日本の農業を学んで帰る人」という見方にとらわれていました。常にゼロベースで人と接することはたいへんな労力を必要とします。そう考えると、何らかのカテゴリー分けをしてある程度の先入観をもって人を見ることは避けられないのかもしれません。しかし、そういう目線でしか人を見れなくなると、一人ひとりの個性が見えなくなってしまいます。コミュニケーションをとる相手と一人の個人として接することが、良好な人間関係を作る上で大切なことなのだと思います。

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