以前の記事「外国人材の共同生活に鍵は必須?トラブルを防ぐ環境づくり」では、共同生活における鍵の重要性についてお話ししました。今回は、仕事場において鍵のかかる保管場所が確保されているかどうかをテーマにお伝えします。
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職場にも「鍵」の備えを〜勘違いや魔が差す瞬間を防ぐために
疑いを生むのは、勘違いの積み重ね
人は忘れる生き物です。
財布にいくら現金が入っていたか、日々の支出の中で分からなくなることがあります。また、自宅の引き出しなど現金をしまったこと自体を忘れてしまうこともあります。
そして、それが思い違いによる疑念を生んでしまうのです。
たとえば、前日にコンビニで買い物をしたことを忘れて、「財布の中の現金が減っている」と勘違いしたり、お金をしまった場所を思い出せず、「なくなった」と思い込んでしまったりすることがあります。
こうした勘違いが重なると、「誰かが取ったのでは?」という疑念が生まれてしまいます。
そして一度誰かを疑ってしまうと、たとえそれが誤解だったとしても、信頼関係は簡単には戻りません。
さらに、非常に残念なことに、最初に疑いの目を向けられてしまうのは外国人実習生であることが少なくないのです。
そもそもの疑念が生まれないようにするためにも、鍵付きロッカーの設置は欠かせません。
魔が差す瞬間もある〜だからこそ備える
また、別の観点からも鍵の重要性が浮かび上がります。
人には「魔が差す」瞬間があります。
普段は誠実な人であっても、家庭の事情で急にお金が必要になったり、借金の悩みを抱えていたりすると、無造作に置かれた現金に手が伸びてしまう可能性も、完全には否定できません。
こうした不幸な事件を未然に防ぐためにも、職場には必ず鍵のかかるロッカーや信頼できる金庫を設置してください。
また、農場によっては、現金で農産物を直接販売することもあるでしょう。そうした場合も、事務所などに現金を無造作に置いておくのは避けるべきです。
手持ちの簡易金庫では不十分です。家族経営の慣習で現金管理が甘くなっているケースもありますが、その油断が事件を引き起こす要因となり得ます。
トラブルを防ぐのは「信頼」ではなく「仕組み」
人を信じることは大切ですが、トラブルを防ぐのは「信頼」よりも「仕組み」です。
「勘違い」や「魔が差す」といった、誰にでも起こり得るリスクを、事前に防ぐ環境を整えることが重要です。
ぜひ、鍵付きのロッカーや信頼できる金庫といった設備を整え、職場における貴重品管理の体制を改めて見直してみてください。